私は彼の胸に顔を埋めて言葉を落とした。
くすくすと笑う三成。
背中をポンポンと叩く彼の掌の熱が心地いい。
「あなたを好きになって良かった。」
私は彼の背中にキュッと捕まって言葉を落とした。
お互いを大切に想うから意見がぶつかる。
とても素敵な夫婦喧嘩。
「こんな夫婦喧嘩なら何度してもいいです。」
本音がポロリと口から零れ落ちた。
「紫衣、左近の言う通りそなたの懐妊を急がねばならない。」
「はい。」
「俺は秀吉様に紫衣を差し出すつもりはない。
その為の懐妊だ。」
「はい。」
「そなたの不安を思うと急ぐべきではないのかもしれぬ。
だが、猶予はないのだ。」
「あなたの赤ちゃんが欲しくないんじゃないの。ただ、ちょっぴり怖いと思う気持ちは持っています。」
「だから無理強いはしたくなかったのだ。」
「わかっています。
だけど、あなたが私の側にいてくれるのでしょう?」
「殿だけじゃないだろ?!」
三成が言葉を返すよりも早く、紅葉さんが部屋に飛び込んできて叫んだ。


