勝利の女神になりたいのッ!~第1部~



私は彼の胸に顔を埋めて言葉を落とした。


くすくすと笑う三成。

背中をポンポンと叩く彼の掌の熱が心地いい。


「あなたを好きになって良かった。」


私は彼の背中にキュッと捕まって言葉を落とした。


お互いを大切に想うから意見がぶつかる。


とても素敵な夫婦喧嘩。


「こんな夫婦喧嘩なら何度してもいいです。」


本音がポロリと口から零れ落ちた。


「紫衣、左近の言う通りそなたの懐妊を急がねばならない。」


「はい。」


「俺は秀吉様に紫衣を差し出すつもりはない。
その為の懐妊だ。」


「はい。」


「そなたの不安を思うと急ぐべきではないのかもしれぬ。
だが、猶予はないのだ。」


「あなたの赤ちゃんが欲しくないんじゃないの。ただ、ちょっぴり怖いと思う気持ちは持っています。」


「だから無理強いはしたくなかったのだ。」


「わかっています。
だけど、あなたが私の側にいてくれるのでしょう?」




「殿だけじゃないだろ?!」


三成が言葉を返すよりも早く、紅葉さんが部屋に飛び込んできて叫んだ。