「紫衣、さっきの客人のことだが、左近から話を聞いたか?」
てっきりキスされるのだと期待した自分が恥ずかしくて、頬が熱くなるのを感じたけど三成の問いかけに、
「いいえ、ただ三成様が一番尊敬するお方だと聞きました。」
左近さんの言葉をそのまま伝えた。
「紫衣は誰だと思う?」
わからないよ…。
彼が尊敬する人といえば秀吉で、だけど秀吉が共を連れずにお忍びで出掛ける事なんて出来るのかな?
けど、三成が尊敬している人物って秀吉以外に浮かばないし、
「三成様が尊敬している人といえば浮かぶのは一人だけです。
でも、そのお方が簡単に外出が出来るなんて思えないし…」
結局、誰というはっきりとした名前は告げることなく、思ったことをそのまま言葉にした。
「正解だ。」
「え?」
「紫衣の思うお方で正解だと言ったのだ。」
「それって、でも…。」
「忍んで出掛ける事がお好きな方なのだ。
俺もいつもヤキモキしている。」
「本当に?」
「本当に。」
「彼が豊臣秀吉なのッッ?」


