着ている着物を脱がされ、着付けられたのは馬なんて乗れないような着物。
呆気に取られている私をまるで無視するように髪の毛も整えられ、化粧もされた。
「お綺麗ですよ。」
呆けたままされるがままだった私が意識を取り戻したのは朱理さんの穏やかな声を聞いたときで、
「あの…。」
だけど、やはり状況に頭はついてきてなくて、
「さあ、部屋を移りますよ。」
尋ねたいことを口に出来ないまま、次の展開に進もうとする朱理さんに手を引かれて部屋を出た。
「馬子にも衣装だな。」
「お綺麗ですよ。姫様。」
お約束の言葉を口にする紅葉さんとくすぐったい言葉を真面目な口調で口にする桔梗さん。
廊下で待っていたのだろうか、部屋の前には二人の姿があり、だけど二人も何故だか正装してる?
「顔が間抜け面になってるぞ。」
口の悪い紅葉さんの言葉にも反応出来ない私を三人はくすくすと笑いながら廊下を進んでいく。
私の前には紅葉さんと桔梗さん。
そして朱理さんは部屋を出たときと同じ様に私の手を引いてくれていた。
そして連れてこられたのは少し豪華な襖の前で、部屋には誰かいるのか中からは声が洩れ聞こえる。
「お連れいたしました。」
凛とした紅葉さんの言葉が響き、襖が開けられると瞳に飛び込んできたのは左近さんの姿で、何故か部屋の中が見えないように立ちふさがっていた。


