なんだか落ち着かない。
「姫なんて私に似合わないよ。」
ポツリと呟く私に、
「似合わないけど仕方ねぇだろ?
実際は桔梗が正しいんだし?」
紅葉さんはニヤリと笑って言葉を返す。
「正しいとかじゃなくて、私が無理なんだもん。」
「確かにお前が姫なんて似合わねぇか…。」
「うん、似合わない…。」
「けど、大阪に行けば似合う似合わないは関係なく、お前は殿の奥方で、うた様として振る舞う事も多くなるだろうな。」
「うん…。」
「覚悟出来てんのか?」
「なんとなくだけど…。」
「殿のおそばにいるってことはそういうことだ。」
「わかってる。」
「俺だとお前を甘やかしてしまうって左近様にも朱里にも見抜かれてたのかもな。」
「だから桔梗さん?」
「そうだろうな。」
「でも、紅葉さんも桔梗さんも一緒にいると楽しいよ?」
堅苦しくないとは言えないけど、桔梗さんを苦手だなんて思わない。
すごく真面目で堅苦しいけど、どこか抜けてるように感じる桔梗さんは興味深い人だと思った。
「左近様と朱里の思惑を超える紫衣は大物だよ。」
「それって誉めてるの?貶してるの?」
「両方…。」
ククッと笑う紅葉さん。
ポンポンと繋がるの会話が楽しくて私も笑った。
新しく一緒に過ごす桔梗さん。
これからがほんの少し楽しみだなって思ったんだ。


