馬に乗せられ、桔梗さんについて紅葉さんが教えてくれた。
「桔梗も忍だ。」
やっぱり、そうなんだね。
コクリと頷く私に紅葉さんは色々話してくれた。
桔梗さんと双子の椿さんは朱里さんと同じ里の出身で、左近さんの奥様のご実家で医学の知識を身につけた薬師。
「普段は表に出るのは椿の方なんだ。
桔梗は口が悪いからね。」
紅葉さんの言葉に自然に笑みが零れた。
口が悪いなんて…。
紅葉さんと同じじゃない。
くすくすと笑う私に、
「俺の口の悪さは紫衣限定、桔梗は誰彼かまわずさっきみたいな態度だから左近様も手を焼いてるんだ。」
アッサリ私の心の中を読み取ったかのような返答に私は笑えなかった。
「私限定ってところは気になるけど…
桔梗さんは真面目だから周りが気になって仕方ないんでしょうね。
でも、真面目なのは決して悪い事じゃないんだし、仲良くなれるといいな。」
ニッコリと笑って紅葉さんに言葉を返すと、
「桔梗に今回のお役目を与えた左近様の気持ちが今ならわかるかな。」
「?……。」
「意味わからなくてもいいんだ。
紫衣の阿呆に今回はかけてみるのがいいのかもしれないってこと!」
紫衣の阿呆?
むきーッッ!
「どうして今の話から阿呆に繋がるのか説明してよ!」
「馬、走らせるぞ!
喋ってると舌噛むから黙ってろ!」
「ぅぎゃーッッ!!」
紅葉さんは馬の腹を一蹴りして私の体を支えるように体を寄せた。


