桔梗さんの言葉に視線を向けると、とても真面目な表情で口調もなんだか最初と違って少し畏まって聞こえた。
最初の登場の仕方が神出鬼没だったのに口調も表情も柔らかくて一気に印象が変わった桔梗さんにほんの少し戸惑いを感じた。
「桔梗さんって三成の家臣なんですか?
それとも左近さん?」
桔梗さんの正体を私はまだ知らない。
「姫様、殿を呼び捨てにするのはいけませんね。」
淡々と注意をする桔梗さんに私は小さく体を縮めた。
確かに三成なんて呼び捨てにしているのはいけないことで、注意を受けても仕方ないよね。
「あの…ごめんなさい。」
「私にはさっき茶屋でも逢ったでしょうに、姫様は相当感覚が鈍く出来ているようですね。」
淡々と言葉を紡ぐ桔梗さん。
内容は何気に酷いよね?
「茶屋で?」
後についている何気に酷い言葉を気にせずに茶屋というキーワードだけを考えながら桔梗さんの顔をマジマジと見た。
「え?あの娘さん?」
「そうですよ。やっと気付きましたか…。」
「だけど茶屋の娘さんは椿さんって紅葉さんが…。」
「椿と私は双子なのです。」
「え?でも…。」
「紅葉も私達を判別出来ないなんて困り者です。」
ため息混じりで言葉を吐き出す桔梗さん。
なんだか少し怖いって思うのは私だけ?


