「紫衣!」
紅葉さんの大きな声が響いて私の体は地面に倒れ込むように揺れた。
だけど、ドスンと音がして…
あれ?
想像していた痛みを感じない。
というか、あったかい?
恐る恐る瞼を上げると薄紫色が広がっていて、
「危ないよ、姫様。」
くすくすという笑い声と一緒に言葉が降ってきた。
「え?」
ギュッと抱き止められている私の体。
「間一髪だったよ。」
見上げるとニッコリ笑う桔梗さん。
「大丈夫か?紫衣!」
紅葉さんの声も聞こえる?
頭が真っ白で状況についていってない私はそばに移動してきた紅葉さんに顔を向けた。
「阿呆紫衣…。」
だけど、紅葉さんはウンザリとした表情で言葉を落とし、
「桔梗、紫衣を放せ!」
唸るような低い声で桔梗さんに話しかけた。
「姫様、どこも痛くない?」
一度ギュッと抱き締められてから解放される私の体。
「うん…。」
桔梗さんに返事をしながら、やっと私は川まで転げ落ちそうになったところを桔梗さんに抱き止められて助けられたんだということがわかった。


