「馬に水を飲ませてくるから、お前はそこに座って待ってろ。」
大きな石を指差して話す紅葉さん。
私の返事も聞かず、馬を連れて足を進める。
緑に囲まれたこの場所で森林浴をするのも悪くない。
だけど、
「一緒に行きたい。」
一人になりたくない私は紅葉さんの後を追いかけながら話しかけた。
返事をくれない紅葉さん。
だけど歩みがゆっくりになってる。
すぐに追いついて、紅葉さんの横を歩く私を横目でチラリと確認した。
目の前には川、川までは少し急な坂になっていて石がゴロゴロと落ちていた。
「転ぶなよ。」
紅葉さんに言われた瞬間に石に足を取られて体がグラリと傾いた。
「ぅぎゃっ!」
前のめりに体が倒れていくのを感じた私はギュッと瞼を閉じて次にくる痛みに備えた。


