「団子2つ。」
席につくなりぶっきらぼうに注文を告げる紅葉さん。
「あいよ。」
注文を受けた茶屋の人はとても若くて綺麗な娘さんだった。
「しばらく休めば今の気分の悪さもなくなるはずだ。」
注文したときの紅葉さんとは打って変わって優しく私に話しかける。
「もうさっきよりうんとましになったよ。」
紅葉さんの変化を不振に思いながらも私は微笑みながら言葉を返した。
「おまたせしました。」
お皿にのった2串の団子と湯気のたったお茶が目の前に並べられた。
「ありがとう。」
運んできた娘さんに小さく頭を下げて私はお礼を口にした。
「美味しそう!」
団子に視線を向けて思わず口にした言葉にくすくすと笑い声が聞こえた。
私の横に立っている茶屋の娘さんが私を見て笑っていたんだ。
恥ずかしくなった私は俯き体を小さくするしかなかった。
食いしん坊だって思われたかな?
だけど、団子は本当にとっても美味しそうなんだもん。
小さくなる私の目の前に差し出された団子。
「甘い団子食べたら元気になりそうだな。」
ニカッと笑った紅葉さんが指で串を摘んで私に団子を差し出していた。
「ありがとう。」
紅葉さんから団子を受け取って口に運ぶ。
一口食べると口の中に甘味が広がり、疲れが一気に吹き飛ぶような気がした。
「お~いひぃ~。」
まだ口の中に団子が入ったまま話す私に紅葉さんは呆れ顔。
「口に入ったまま喋るなよ。」
お得意の小言を落とされた。


