茶屋に着いて馬から下ろしてもらった私はふらふらとした足取りで紅葉さんの後ろを歩いていた。
紅葉さんは馬を繋ぐために手綱を引きながら軽やかな足取りで進んでいく。
「ふらついてるぞ。
先に茶屋に入って座ってろ。」
私の足取りを見てくすりと笑った紅葉さんが言った。
やはり揺れが少し体に残ってるのか頭もくらくらしている。
だから私は紅葉さんの言葉に素直に従って頷いてから茶屋に足を向けた。
茶屋での注文の仕方や席の付き方がわからないから不安に思いながらも早く座りたくて足を進めた。
だけど、そんな心配は私の腕を掴む紅葉さんによって解消された。
「足ふらつきすぎ。」
くすくすと笑いながら私の手を引いてくれる紅葉さん。
「なんだろうね。乗り物酔いなんて普段しないんだけどね。」
紅葉さんはくらくらする頭を抑えながら話す私の肩を抱き寄せて支えてくれた。
「長時間馬に揺られたんだから仕方ないよ。」
ぐっと引き寄せながら話す紅葉さんに少し戸惑いを感じながらも私はそのまま体を委ねた。
本当に辛かったんだ。
だから紅葉さんと寄り添うように歩いていることに恥ずかしさもあまり感じなかったんだ。


