だけど、そんな雰囲気をかき消すように佐和さんが口を開いた。


「こんなに強い絆がそう簡単に壊されることはない。
俺は紫衣を守る。
三成も左近さんも朱理さんも、それに島田も芽衣ちゃんもみんながお互い同じ想いを持ってるんだ。
壊されてたまるか!」


力強い佐和さんの声。


そして佐和さんは震える私をその腕の中に閉じ込めた。


佐和さんにぎゅっと抱きしめられて少しずつ落ち着く心。


「そうかもしれないな。」


ポツリと呟くお兄ちゃんの表情も少し和らいだ。


「転生後の殿は一味違いますな。」


茶化すような左近さんの声で重い空気がかき消された。


「口を慎め左近。」


不機嫌なお兄ちゃんの声にみんなで顔を見合わせて笑った。





これから何が起こるかなんてわからない。


だけど自信を持ちたい。

誇りだって持ちたい。


だって繋がってるって知ったから。


彼が紫衣に執着心を持つように私だって執着したい。


紫衣とお兄ちゃんの幸せに…。