抱き寄せてくれるお兄ちゃんのぬくもりを逃がさないように背中に回した腕に力を入れた。
「見せて。
見たいの紫衣を…。
そして良君と繋がる人を…。」
見たってどうすることも出来ないのはわかってる。
だけど知りたかった。
どんな風に関わる人物かを知りたいと思ったんだ。
「見てどうする?」
「知りたいの。」
「知ってどうする?」
「…………。」
冷静なお兄ちゃんの声に何も言えなくなった。
「理由なんてない。
それじゃあ駄目なのか?」
サクサクと砂を踏む靴音と一緒に佐和さんの声が聞こえた。
佐和さんの後ろには芽衣ちゃんと嶋田さんも歩いている。
「ただ、知っておきたいの。」
言葉にならなかった気持ちがするりと唇から零れ落ちた。


