勝手だなんて私は言えない。
だって良君も苦しんだんでしょう?
それに真衣ちゃんだって苦しんだんでしょう?
「幸せになると思ったの。
みんな苦しそうだったから、紫衣も私も自分がいなくなることでみんなを幸せに出来ると思ったの。」
あの時、紫衣も苦しんでた。
人を愛することでみんなが苦しんでたんだ。
だからといって愛することをやめるなんて出来なくて、
「愛してるからこそ別れを選んだの。」
伝え終わると涙も一緒に零れ落ちた。
「もう戻らないって聞いてしまった今でも俺は紫衣を諦められない。」
良君も涙と共に心を口にする。
「探すよ、紫衣を…」
400年の時の隔たりを越えるつもりなの?
そんな事出来ないよね?
「私も佐和さんと一緒に紫衣を探すの。」
歴史の中で紫衣を探すの。
良君もそうだよね?
「紫衣ちゃんも?」
「はい。
これから資料を探していきます。
紫衣とお兄ちゃんの歩んだ道を探すんです。」
「俺は違うよ。
そうじゃないんだ。」
「え?」
「時を越えても紫衣に逢いたい。」
「時を超える?」
良君は力強く頷いた。
良君の瞳にその強い意志を感じて私は怖くなったんだ。


