席を立つ三人の背中を見送って私は正面の良君に視線を向けた。
「あの…話があるの。
とっても大切な話なの。」
「俺も聞いてもらいたいことがあるから逢いに来た。」
「うん、良君から話す?」
「あぁ、……
あのさ、俺最近不思議な夢を見るんだ。」
「夢?」
「あぁ…。」
夢…。
私も良君の夢を見た。
それは偶然?
それとも、もしかして必然?
「紫衣が夢に出てくるんだ。」
「……………。」
「だけど紫衣なのに、その…姿が…。
少し変わってるというか…。」
良君の口から零れ落ちる途切れ途切れの言葉の意味を私が理解できないわけはない。
良君は本当の紫衣を夢に見たんだね…。
覚悟は決まったはず!
本当の事を告げなきゃいけない!
お腹に力を入れて膝の上で拳を作った。
「私は偽物の紫衣なの。」


