家まで送ってもらう車の中。


ハッキリしない私に苛立つ佐和さん。


良君と電話してから毎日同じ事の繰り返し。


佐和さんは良君に逢うのが辛くないのって聞けたら楽になるのかもしれない。


だけど、聞いたところで佐和さんは大丈夫って言ってくれるのもわかってる。


大丈夫じゃなかったとしても大丈夫って言う人だ。


「ありがとうございました。」


車をおりて佐和さんに声を掛ける。


「後でメールする。」


怒っていてもちゃんと約束してくれる佐和さん。

約束は安心をくれるって知ってるから別れ際はいつも何か繋がる約束をくれる佐和さん。


そんな風に甘やかされてる私が、これ以上佐和さんに頼るなんてバチがあたるよね?




「ね?そう思うでしょ?」


珍しく早く帰ってきた芽衣ちゃんと夕食を取りながら佐和さんの事を話した。


「紫衣ってホント可愛いね。
だけど、スッゴい憎たらしい!」


「え?」


なんで?
どうして?


誉めてる?

それとも貶してる?



困惑する私を見てケタケタと笑い声を上げる芽衣ちゃん。


「意味わかんないよ。」


半ベソ状態の私に芽衣ちゃんは、


「佐和さんの気持ちを代弁してみた。」


そう言ってまたケタケタと笑い出した。