廊下をしずしずと進みながら私にはもう一つ不安な事があった。
話は終わりだって言われたけど、やっぱり聞いておきたい。
「挨拶なんだけどね?」
「………………」
「清正にもうしちゃったんだけど、あのままでいい?」
おずおずと尋ねても紅葉さんは言葉を返してくれない。
やっぱり怒ってる?
怒らせちゃった?
不安で涙が込み上がってくるのを必死で堪えた。
だけど不安反面、なんだか無性に腹もたった。
「わからないんだから教えてよ!」
だから言ってはいけない言葉を口にしてしまった。
「今日は殿のお仕置き、厳しいものになるだろうね。」
ニヤリと笑う紅葉さん。
びくりと跳ね上がる肩を見て一層その不敵な笑いを濃くしてた。
「わからないから教えて下さればとても助かります。」
恐怖から棒読みのセリフのように告げると、
「そのままでいいんじゃないか?」
けろりと言い放たれた。


