自分の生きた時代を思い出すことが少なくなっていた。
それだけ私が今の時代に馴染んできたのかもしれない。
夢ももう自分の生きた時代ではなく、今私が生きている時代を見るようになっている。
少しずつ薄れていく記憶が清正に逢って思い出された。
だけどそれは寂しいとかじゃなく、懐かしい思い出として受け止められることが出来ている。
本当の意味での決別が出来ているのだと良君に似ている清正に逢って確認が出来た。
「ふふ――…」
思わず零れる笑い。
「気持ち悪いんだけど!」
幸せに浸っている私はきっと間抜け面を晒していただろう。
部屋に一人だと思って考えながら油断していた。
「失礼ね!」
取り繕うように言葉を返した。
もちろん相手は紅葉さん。
あんな失礼なことを言うのは彼しかいないでしょ?


