勝利の女神になりたいのッ!~第1部~



その躾と言うのは着慣れない着物の裾さばき。


「廊下歩いてるとき不細工すぎて笑い堪えるの必死だった。」


野生の猫には厳しい躾が必要だなって紅葉さんの怖い発言に私の体はぷるぷると身震いを始めた。


けれど、ほんの少しだけ紅葉さんの言う躾という名の振る舞いレッスンは宴の席に一足先に来るようにという左近さんの伝言を告げに来た人の声で、すぐに打ち切りになった。


「あー!
嫌だッ!
正則の奴、酔ってたら面倒だからな。」


床にペタンとお尻をつけて足をジタバタさせる紅葉さんはまるで駄々っ子。


「お急ぎ下さい。」


なかなか部屋を出ようとしない紅葉さんに部屋の外から又声が掛けられた。


「わかってる!」


これ以上ないって位不機嫌丸出しの声を返して紅葉さんは襖を開けた。