「おい、起きろ。起きてくれ。」
体を揺さぶられて私は目を覚ました。
夢?
ここは?
「また寝ぼけてるのか紫衣。」
左近さんの声。
やっぱり夢...。
「左近さん、ここはどこなんですか?」
「近江水口だ。」
近江の水口、多分三成が4万石の城主だった頃住んでいたところ。
「今は何年ですか?」
「天正11年だ。」
ほらね、きっとそうだ。
この頃はまだ三成は佐和山城ににはいない。
調度秀吉と柴田勝家の合戦が賤ヶ岳であった頃。
加藤清正や福島正則が賤ヶ岳七本槍と功名を立てたと有名な合戦。
三成はその戦で先駆衆として巧妙を上げたとされているけれど武功を立てるよりも知恵で秀吉に仕え、どちらかといえば力のない人だと言い伝えられている。
本当はどうなんだろう。
「賤ヶ岳で合戦があったんですよね?」
「そうだ。」
左近さんの言葉はとても短い、必要最低限の返事しかえってこない。
やりにくいな...。
「あの...三成さんってどんな方なんですか?」
「何故そんな事を聞く?」
今度は質問されちゃった...。
「私の時代では三成さんはとても酷い人だと書いてあるんです。でも私はそうじゃないって思ってました。今も思っています。とても素敵な人なんじゃないかなってずっと想像してたんです。だからどんな方なのかとても知りたくて...。」
「ほう、紫衣の時代とはどんな所なのだ?」
「ここよりずっと先の時代、天正11年って1583年だから私の生きる平成21年の2009年は420年くらい先の時代なの。」
困惑顔の左近さん。
そうだよね、信じてくれないよね。
言ってる意味も解らないかもしれない。
だけど本当のこと信じてほしい。


