もう一度彼の手に爪を立てて小さく呟くと、
「本性現したな!」
くすくすと笑いながら話す紅葉さん。
「どういう意味よ!」
「そのまんまだけど?」
「紅葉さんって綺麗なのは姿だけだね。」
「紫衣は悪い猫だね。」
躾しなきゃいけないかなって微笑みながら手を私の目の前でひらひらさせた。
紅葉さんの白くて綺麗な手の甲についた赤い爪の跡。
「花びらが散りばめられてる」
綺麗な模様だねって私もニッコリと微笑んでやった。
私と紅葉さんは宴の席に後から遅れて顔を出すことになったみたいで、
「ここで控えてろってさ。」
左近さんの伝言を聞かされた。
最初から参加する訳じゃないんだという安堵の気持ちと、清正達をシッカリ見て話しておきたいと思っていた気持ちが混ざって気持ちは複雑だった。
「ねぇ?
清正と正則の事教えてくれない?」
だから待ってる間聞きたいって思ったんだ。
「スケベ野郎。」
間髪入れずに言葉を返す紅葉さん。
相当嫌な思いをしたのかな?
何も言葉を返せない私に紅葉さんはくすくすと笑っている。
何?
もしかしてからかわれたの?


