廊下で三人が横に並んで立ち止まる。
決して通せんぼをしているわけじゃない。
「三成様?」
彼の怒りに気付いてないふりをして声を掛ける私に三成は深い溜め息を落とした。
溜め息は合意の合図。
仕方なくだけど、聞き入れてくれたという合図。
「では、参りましょう。」
私の手を放し、一人足を進める三成の後ろを紅葉さんに手を預けて二人並んでついて歩く。
「紫衣、宴の後大変そうだな。」
耳元で囁かれる紅葉さんの言葉に私は繋がれた彼の手に爪を立てたまま睨んだ。
楽しんでるでしょって目で訴えるように睨んでも涼しい顔をしている紅葉さんに無性に腹が立った。
「では殿、後程…。」
三成の後ろ姿に声を掛けて廊下を曲がろうとする紅葉さんに私も軽く頭を下げてついて行く。
三成は振り向くことも言葉を返すこともなく足を進めていた。
彼の進む先には跪く男の人が見えた。
その人は三成の姿を確認すると立ち上がり、襖を開けていた。
あの部屋が宴を開く部屋なんだ。
部屋に三成の姿が消えてしまうと紅葉さんへの苛立ちがふつふつと湧き上がてくる。
「紅葉さん、なんかムカつくんだけど!」


