彼の言葉の意味がわからず考えを巡らす私にもう一度彼は囁いた。
「色めいた紫衣を左近であろうと見られたくはなかった。」
「色めいた?」
「今の紫衣は男なら誰でも欲情する、誘うような色香が出ておるぞ。」
「―――…!!」
耳元で囁かれ吐息がかかる、そのやりとりで全てを悟った私は顔を真っ赤に染めたまま口をぱくぱくと開き言葉が出なかった。
恥ずかしい――
恥ずかしすぎるよ!
「だから見せられないって言っただろう?」
「…………。」
「紫衣のそのような表情は俺だけのものなのにな。」
「……………。」
溜め息を吐き出しながら言葉を落とす三成に私は何も言えなかった。
というか…
そもそも、彼が悪いんじゃないの?
そんな気分になっていた。
ふるふると体を震わせる私をくすくすと笑う三成。
顔を上げて抗議しようとする私の頬を包み込む三成の掌のぬくもりを感じると塞がれる唇。
角度を変え舌を絡め取られるキスにまた思考を奪われた。
「お前は俺だけを見ていればいいのだ。」
強い眼差しで見つめられ落ちてくる言葉は身勝手な独裁者のような言葉なのに、ドクンと胸が高鳴った。
「俺だけの紫衣、残念だけどお預けだな。」
高鳴る胸を押さえる私の耳元で囁いて彼は、その体を私から離した。
「朱里をここによこす、
お楽しみはまた夜に…。」
襖の前で振り返り言葉を掛けるとニヤリと笑って部屋を出て行った。


