ぎゅっと彼にしがみつく私の背中を彼はゆるりとその掌で撫でてくれる。
強張った体が彼の掌のぬくもりで少しずつ溶かされていくように柔らかくなって力が抜けていった。
「どうしても素直になれないんだ。」
ポツリと呟くように言葉を漏らす彼の表情は暗い。
敵対するつもりなんてないのが彼の表情から読みとることが出来た。
少なくとも彼は二人のことを嫌ってないってわかっただけで十分だよね?
清正と正則に彼の本当を知ってもらいたい。
そうすれば、何かが変わるかもしれない。
「あなたが彼らを嫌ってないなら理解してもらえる日がきっとくるわ。」
「そうだといいが…。」
「絶対よ!必ず大丈夫!」
ニッコリ笑って言い切ると彼は苦笑いを浮かべてはいるものの少しだけ表情が明るくなっていた。
「紫衣が言うと簡単なように思えるから不思議だな。」
やはり苦笑いを浮かべたままだったけど彼は言葉を落とすと同時に私の頬を掌でを包み込んでソッとキスを落とした。
甘い甘いとろけるようなキスをして彼の胸に頬を寄せた。
だけど甘い雰囲気はすぐに彼の苛立ちに消されることになった。
「本当に今日、奴らと紫衣を対面させなければならないのか!」
舌打ちをしながら吐き捨てるように言う彼に驚き彼の顔を見上げると眉間に深く刻まれた皺。
どうしちゃったのッッ?
なんで急に怒り出したの?


