左近さんの部屋では朱里さんと紅葉さん、私だけで宴の招待客について話し合った。
その席に絶対に外してはいけない人は誰なのか、最終的に三成の敵にまわるであろう人物について質問された。
左近さんには以前勝つべき戦に負けたと関ヶ原について話したことがある。
裏切りを受けたとも…
だからなのだろう。
私の意見を聞きたいと言われたんだ。
今は豊臣の世。
まだ天下を治めたわけではなくとも先に豊臣は天下を握る。
本当に信頼できる左近さん達になら、この先に起きる出来事を話しても大丈夫だと思うけれど躊躇してしまうんだ。
知ることで心が痛むのは絶対だから…。
それに負担になってしまうかもしれない。
応えられない私に優しく諭すように言葉を掛けてくれるのは左近さん。
「俺の気持ちを心配しているのなら、俺はそんなに柔じゃない。
それは紫衣にいつも示してきたはずだろ?」
左近さんは自分で言うほどタフじゃない。
私は知ってるんだ表面の目に見える左近さんと心は全然違うって…。
だけど、左近さんがそうまでして三成を守ろうとしている気持ちは伝わった。
彼を私一人で支えるなんて出来ないこと。
左近さんに私の背負う荷物を少しでも預けることが出来たら心強いのもわかっている。
私は彼の優しい嘘に騙される方がいい?
それとも、やっぱり話してしまうのは良くないこと?
葛藤しても答なんて出るはずもなく、私の口は重く閉ざされて開かなかった。


