可愛くない
可愛くない
可愛くない…
何も出来ないのに素直になりきれない自分が嫌い。
ぐるぐると頭の中は自分を責める言葉が回っている。
胸がギュッと締め付けられるように痛んだ。
佐和さんは私の言葉を聞いて小さく息を吐き出した。
「素直に教えられないなら白状させるしかないな。」
「え?」
驚いて佐和さんに視線を向けると仕方ないよねって言いながら唇の端を片方だけ持ち上げる、彼お得意の意地悪な笑みを浮かべていて、
「わッッ!キャッッ…」
彼の意地悪な笑顔を瞳に映した瞬間、私の体は宙に浮いた。
「お…降ろして下さい。」
足をバタつかせながら訴えても私を横抱きにした佐和さんはスタスタと寝室にむかって足を進める。
「白状ってなんですかッッ?」
もしかして厳しい尋問を受けるのだろうか…
それとも…
拷問?
素直に話していれば良かった。
佐和さん、怒ってる?
ドキドキと痛いくらいに動く心臓。
だけど、こんな風に強引にでも私に触れてくれるのが嬉しい。
彼の瞳に私が映るのが嬉しい。
どんな言葉でも私に向けてくれるのが…
嬉しい。
「キャッッ!」
ベッドに降ろされて、仰向けに転がる私。
「随分と余裕なんだな」
私の体とピッタリと重なる佐和さんの体。
目の前には天井が見えるのではなく、妖艶に微笑みを浮かべる佐和さんの顔があって…
「ち…近いです…佐和さん…」
思わず顔を逸らした。


