そんな私の声に芽衣ちゃんは振り向くとニッコリと笑った。
「紫衣、ちゃんと出来る?」
それって…
さっき教えてもらった一緒にいられる方法の事だよね?
よくわからないけど頑張るって思ってるから私は力強く頷いて応えた。
「じゃッッ、お邪魔虫は退散しますッッ。
石野さん、お邪魔しました。
くふふ…」
また不思議な笑いを残して芽衣ちゃんは嶋田さんと一緒に転がるように外に飛び出した。
バタンと玄関のドアが閉まっても嶋田さんの痛い痛いという悲痛な声が聞こえる。
だけど、その声もどんどん小さくなって暫くすると聞こえなくなった。
部屋に静寂が戻った?
というよりは呆気にとられて私も佐和さんも動けなかったんだ。
「あの二人いったい何しに来てたんだ?」
呟くような佐和さんの声が聞こえて私も小さく頷いた。
本当になんだか突然降る豪雨のようで、過ぎてしまえばカラリ晴れた空からサンサンと日が照って濡れた地面を乾かしてしまう。
時間が立てば雨が降った形跡すら残らない真夏の通り雨に似ている。
そんなどうでもいいことを頭に描いていた。
その間に佐和さんはキッチンでコーヒーを入れたのかテーブルに湯気のたったカップを2つコトリと音を立てて置いた。
その音で我に返ったようにハッとした様子の私にニッコリと微笑んでから椅子に腰掛け、私に手招きをする佐和さん。
「ごめんなさい…。」
俯きながら声を掛けて私も佐和さんの向かいの席に座った。


