そもそも、お祈りと我慢が結びつかないから不思議だった。
「本当に初歩の初歩から説明しなきゃダメなのね…
石野さん、こりゃ大変だわ。
でも、それがまたたまんない部分でもあるんだろうけど…。」
ニヒッと笑いながら芽衣ちゃんは私の疑問について事細かに説明をしてくれた。
「男の人ってね、ごにょごにょ…
女はその時ごにょごにょ…」
恥かしくて真っ赤になって俯いてしまう私に芽衣ちゃんはスパルタ先生のごとく教えてくれた。
全く知識がないわけではない。
経験というか…
機会?がなかっただけ…
「紫衣の時代だと結婚も早いし今より進んでるんじゃないの?
そういうところまで紫衣と一緒だなんて笑っていいんだかどうなんだか…」
半ば呆れ顔の芽衣ちゃんに私はどんな反応をしていいのかわからなくて、ただ俯き加減にコクコクと頷くことしか出来なかった。
「無知も可愛いけど…
石野さんも男だからね。頑張らなきゃ浮気されちゃうよ。」
「ヤダッッ!」
芽衣ちゃんの言葉に顔を上げて言葉を発した私を見て彼女はコロコロと笑った。
「嘘だよ。
石野さんは紫衣を本当に大切にしてるから浮気なんて絶対にしないと思うよ。
大丈夫。
紫衣って可愛いから意地悪したくなっちゃうんだよね~。」
浮気…
衝撃的な男女のごにょごにょよりも鮮明に響く浮気って言葉に涙が溢れてきた。
「佐和さんとずっと一緒にいたいの。」
「それなら、いい方法を一つ教えてあげるッッ!」
くふふって笑いながら私の耳元で囁く芽衣ちゃん。
佐和さんとずっと一緒にいれるなら…
芽衣ちゃんに教えてもらった方法はわからないところがいっぱいだけど、
「ありがとう芽衣ちゃん。
私、頑張ってみるッッ!」
ギュッと手を拳にして小さく力を込めた。


