「習慣って具体的にはどんなこと?」
彼の言葉に棘はなかった。
いつもと同じ、諭すような柔らかい口調で話しかけられる。
「お祈りの邪魔をしてしまったことも、邪魔したことすら気づかない自分が情けないです。」
俯きながらボソボソと話す私を佐和さんはギュッと、その腕の中に閉じ込めるように抱きしめた。
「それに…佐和さんに我慢させてるのは辛いんです。」
彼の胸に言葉をぶつけるように放つと堪えていた涙がぶわっと溢れてきて彼のシャツに吸い込まれていった。
「我慢?俺が…?」
我慢なんてしてないよって続く言葉に私は首を横に振った。
嶋田さんに我慢してるって言われてたのにとぼけてるの?
「嶋田さんと話してたじゃないですか!」
「嶋田と?…………。」
彼の腕に抱かれながら視線を上にあげて顔を見ると困惑した表情を浮かべている。
「いつ?」
「さっき。」
「さっき?」
「はい、嶋田さんが部屋から出て行く前に…」
「…………………。」
困惑顔の佐和さんに自分が勘違いしているのかと不安になった。
言葉が出なくなって俯く私、考えを頭で巡らせている佐和さん。
沈黙が部屋に広がった時ドアが開いて嶋田さんと芽衣ちゃんがドタバタと部屋に入ってきた。
「俺達、意味わかっちゃったもんね~。」


