パタンと音を立てて閉じられた扉。
すぐに嶋田さんのコンビニで朝飯調達してくるって声が聞こえて、バタバタと足音が遠ざかり最後は玄関の鍵をガチャリと閉める音が聞こえた。
芽衣ちゃんと嶋田さんを追い出すような形で部屋から出て行かせたのも私。
すぐに泣いちゃう私のせい。
知らないことばっかりの世界では私が努力しても生きる時代の違いの溝は埋まらないのかも知れない。
習慣も考えも違う。
物の怪や祟りを信じる私の生きた世界と佐和さんの生きる世界の違いはあまりにも大きすぎるのかも知れない。
だけど、その溝を埋めたくて頑張ってきた。
溝があるのをわかっていて側にいてくれる芽衣ちゃんや佐和さん、嶋田さんの気持ちに応えようと思ってた。
なのに…
全然前に進んでない…。
泣いたって仕方ないのに、お祈りの習慣をちゃんと聞けばいいことなのに…
何も言えずに涙を流してしまった。
こんな成長できない私が側にいたら迷惑だよね?
呆れちゃった?
面倒でしょ?
じわりと涙が込み上げてきたけどグッと堪えて佐和さんを見た。
佐和さんは私をジッと見つめていた。
優しく微笑んで見守るように私に視線を向けている佐和さん。
そんな彼の姿に胸がギュッと苦しくなったんだ。
とってもとても好き。
すっごくすごく大切な人。
困らせたくない
困らせたらダメ
私の側にいたらみんな疲れちゃうね。
困らせちゃうね。
だから…
「佐和さん、私みんなとお別れします。」


