こんなダメな所だらけの私に我慢しっぱなしの佐和さんが気の毒だ。
「紫衣…」
芽衣ちゃんの声で時間がゆっくりと動き出したような気がした。
「それにしても石野は我慢の塊でできてる男だな。」
「それは俺も否定しない。」
「俺は無理だな、我慢なんかできねぇ。」
「お前はな、そうだろうな。」
耳の奥で何度も繰り返し聞こえる会話。
さっき佐和さんと嶋田さんが話していた言葉がずっと響いている。
話した後の佐和さんの苦笑いが目に焼き付いて離れない。
私、佐和さんに我慢させて…
困らせるだけの存在なの?
佐和さんのお祈りの邪魔して、なのにその事に気付けない私なんて…
佐和さんに相応しくないよね?
すごくすごく悲しくて、すごくすごく情けない。
「え……わっ!…し 紫衣ッッ」
ぶわっと溢れ出した涙が頬の上を流れ落ちていた。
「紫衣ちゃん、どうしたの?」
私の涙に驚いた芽衣ちゃんの上げた声に嶋田さんも佐和さんとの会話をやめた。
オロオロとする芽衣ちゃんと嶋田さんに佐和さんは落ち着いた声で言ったんだ。
「紫衣と2人にしてくれ」
佐和さんの言葉に芽衣ちゃん達は顔を見合わせて頷くと部屋を出て行った。


