佐和さんは天井に視線を向けてブツブツと何かを呟いている。
手は合わされていないけれど、お祈りか何かだろうか。
「佐和…さん?」
すっかり涙が止まった私は彼に声を掛けたけど彼は素っ気なく言葉を返してきた。
「少し待ってくれ。」
やはりお祈りなのだろうか…。
私がいて、いつもの彼のペースを崩していたのかもしれない。
おとなしく待つこと数分。
彼の呟きも消え、天井に向けられていた視線も私に向いていた。
「終わりましたか?」
「あ、あぁ…」
「立派です。」
「…………」
「佐和さん、お祈りを捧げていたのでしょう?
どんな時でも祈る気持ちを忘れないなんて立派です。」
「あ、あぁ…。」
「…………」
「…………」


