言葉を発してから反省した。
楽しそうなんて言える立場じゃない。
佐和さんはきっと私が気にしないようにふざけてくれているにちがいない。
どうして私はいつも行動と思考がちぐはぐになるんだろう。
情けなくて仕方がない。
叩いた事をまず謝って、それから彼が眠れなかった理由を聞こうと思い、彼に視線を向けて口を開いた。
「叩いてしまってごめんなさい。
それに嘘つきなんて言ってごめんなさい。」
謝ると佐和さんは意地悪な笑顔を曇らせた。
「佐和さん本当は眠れなかったんでしょう?
目の下にクマが出来てます。
私、佐和さんを疲れさせちゃったのでしょう?
本当にごめんなさい。」
佐和さんから視線を外すことなく一気に話した。
「俺そんなに疲れてないよ。」
「嘘…。」
「本当だって。」
「でも眠れなかったんじゃ…。」
「ずっと紫衣の寝顔見てた。
紫衣が安心して眠ってる姿見てると眠るのがもったいなかったんだ。」
「ずっと…?」
「そう、ずっと…。
紫衣さ、寝言で俺が大好きって言ってたぞ。」
「嘘ッッ!」


