左近さんの言葉に彼の胸の音が大きくなったのがわかった。
怒っているのだろうか...。
そっと彼の表情を窺うように視線を上げると眉間には深い皺が刻まれている。
怒ってる...。
「隆吉から聞きました。紫衣はうた様になると。」
そんな彼に動じることなく言葉をかける左近さん。
「それがどうしたというのだ。」
不機嫌さを隠すことなく三成は左近さんに言葉を返す。
緊迫した空気だと感じるのは私だけなのだろうか...。
二人のやり取りを聞いていて心臓はバクバクと暴れていた。
「本日、病に伏していたうた様の全快祝いをしたいと思っています。」
「はぁ?」
左近さんの言葉に瞬時に反応したのは三成ではなく私。
素っ頓狂な声が部屋に響き渡った。


