歴史を頭の中で何度もおさらいするように思い出す。
歴史に残る彼の悪評。
まずはそれを何とか回避しなければいけない。
彼にとって一番の汚点といわれる事柄は...。
関白秀次切腹。
秀吉の後継者として決まっていた秀次。
秀吉の側近である権勢家、石田治部少輔三成は関白秀次が跡を継ぐことで自分の権力が失われるのを恐れていた。
一方、自分の子秀頼に跡を継がせたいと考えていた淀殿と利害が一致していた二人は結託して秀次失脚に動き出した。
秀次の下に間者を入れ、秀吉に悪い話を報告し秀次との仲を悪くした。
秀吉と秀次の仲が悪くなり自暴自棄になった秀次が不穏な行動をとり始めた頃、好機とみた三成は彼を失脚させ自害させた。
秀次は妻子一族全て皆殺しになっている。
それが通説として伝えられている話。
そんな酷いことを三成がするはずがない。
私はそう信じていた。
彼に逢って彼の人柄に触れ、益々その考えは強くなった。
彼が好きだから冷静に判断できていないのだろうか...。
彼を信じたいという気持ちが強すぎて極悪非道なこの事件に彼は関わっていないというのは私の甘さなのだろうか。
だけど私はこの通説を信じることが出来なかった。
だから図書館でたくさん本を読んだ。
そして見つけたんだ。
この通説を否定できる文献を探すことが出来たんだ。
「武功夜話」
ここに登場する三成は通説とは違い秀次を助けるために尽力したと書いてある。
武功夜話は尾張の土豪であった前野家の武功を記した古文書。
それが武功夜話だった。
この史料は通説を塗り替えるような内容が書いてある。


