だけど笑い声を響かせた後の紅葉さんは少しいつもと様子が違っていた。
いつもなら睨み付ける私の視線を軽くかわして憎まれ口を叩くのに、その時の紅葉さんは神妙な顔で私を見つめていた。
「な、何?」
様子の違いに私の頭は軽いパニックにおちいっていた。
紅葉さんにちゃんと聞きたいのに言葉が口から出てこなかった。
そんな緊張した様子の私を紅葉さんは表情を緩めて話し出した。
「あのさ、紫衣って名前.....」
「名前?」
言葉がどうしてだか続かない紅葉さん。
俯いてしまった紅葉さんに私は聞くことしかできない。
名前?
私の名前がどうかした?
首を傾げて見つめる私に紅葉さんはフッと小さく息を吐き出すように笑っていた。
そして私の頭をグリグリと乱暴に撫でている。
「なんか今日の紅葉さん変だよ?」
「お前にだけは変って言われたくねぇよ。」
「何かあるんなら話してよ。」
「いや、何もない。」
「嘘だッッ!!」
「決めつけかよ!!」
「うん!!」
「勝手に決めるな!!」
紅葉さんと言い合ううちに私はいつもの調子を取り戻した。
紅葉さんの表情も和らいでいる。
だけど名前って何?
私の名前がどうかしたんだろうか...。


