「照れてないでハッキリ言ったらどうなんだい。紫衣の事が気になって仕方ないんだってね。」
「ち、違うッッ!!
俺はただ……
ただ…紫衣がまた何か失敗して…。」
朱里さんの言葉に反論する紅葉さんの顔は真っ赤に染まっていて額には汗がキラキラと光っていた。
勢いよく吐き出された言葉は最後には声も小さくなりゴニョゴニョと聞き取れなくなった。
変な紅葉さん。
それより失敗してないかなんて…
そんな心配してくれなくても、ここでは私は何もすることがなくて困ってる位なのに失敗のしようもないよ…。
「そんなことよりも朱里さん!
私も何かしたいんです。何か…」
二人の会話に口をはさむ私を紅葉さんはチラリと横目で確認した後言ったんだ。
「そんなことってなんだよ!!
俺はお前が退屈してないか心配して様子見に来てやったのに!!」
「ほぅ~ら。
心配してたんでしょうが…
ほんっとに紅葉は素直じゃないねぇ。」
朱理さんの言葉にハッとしたように息を飲んだ紅葉さんは今度は耳まで真っ赤にして俯いてしまった。
変な紅葉さん…。
だけど、嬉しいッ!
私を気にかけてくれていたと言ってくれる言葉がとても嬉しかったんだ。
「フフ…紅葉さん、ありがとう。」
「べ、別にお前を心配してた訳じゃないぞ!
殿にお前の世話役を頼まれてるんだから当然のことなんだからな!」
言葉を荒げる紅葉さん、だけどその姿は照れてるとしか言いようがないくらい顔も耳も真っ赤に染まっている。
ホント…素直じゃないんだから…
だけど、その言葉を口にするのはやめておいた。
素直じゃないけどわかりやすい紅葉さんの優しさはちゃんと私にも周りにも伝わってるから…
だからかな?
朱里さんも紅葉さんの気持ちには触れずに話題を変えたんだ。


