「どうしてだか俺にもわからない。だけどここは紫衣が住んでいた世界を映してくれるんだ。」
三成が見せてくれているのかな?って首を傾げる石野さん。
「三成はきっと自分の完全な転生を諦めて俺を助けてくれたんじゃないかと思うんだ。
俺の魂は生まれてすぐ消滅する運命だったんじゃないかな。魂の抜けた体は三成のものだったんだろう。」
「そんなこと言わないで。」
「三成はきっと俺を見捨てることができなかった。だから自分の半分を俺に注ぎ込んだんだと思う。残った半分で紫衣を見守っているんだと思う。そして俺たちは出逢ったんだ。」
私を?
見守って....。
「そうなんだろう?三成。」
彼の声に反応して顔を上げると瞳に映るのは逢いたかった人の姿。
「つまらない奴だ。」
「それは俺の話が正解ってこと?」
「.......。」
「そう睨むなって、それより紫衣に何か言ってやれよ。」
彼らの会話が耳に流れ込んでくる。
溢れる涙を拭ってお兄ちゃんに視線を向けた。
「紫衣...。」
「おにいちゃん!!」
私を呼ぶお兄ちゃんの声、あの頃と変わらない優しい声。
「久しいの。」
「うん。」
「元気だったか?」
「うん。」
話したいことはたくさんあるのに涙が邪魔をして話せない。
込みあがってくる嗚咽を押さえ込むだけで精一杯だった。


