ドアが開けられ部屋に来る前に歩いた長い廊下を二人並んで歩いた。
手をシッカリと繋いでくれる石野さん。
そんな彼の手に導かれるようにして私は彼の後を着いて歩いた。
エレベーターの中小さな空間に息が詰まりそうになる私の体を抱き寄せて石野さんは耳元でそっと囁いたんだ。
「あのまま部屋に二人でいるのは俺の体によくなかった。」
言葉の後、私の唇を塞ぐ石野さん。
石野さんの言葉の意味が理解できなくて尋ねようとしたところを塞がれた。
言葉は口から出ることなく喉の奥に飲み込んでしまった。
「意味わかってないだろう?」
いつもの優しい口づけではない。
熱くて激しい口づけに頭の中は真っ白で話しかけられているのに返事を返すことが出来なかった。
「紫衣はまだ知らなくていい、そのままの紫衣も好きだよ。」
ボンヤリする頭に響く石野さんの言葉。
好きだよって部分に涙が出そうになる。
嫌われちゃったらどうしようと悲しかった気持ちが嘘みたいになくなった。
私って単純だなって自分でもおかしくなった。
気持ちの一喜一憂が全て石野さんに左右されるなんて...。
ダメだな...私...。
そんなどうでもいいことを考えていたらエレベーターは一階に到着した。
「買い物に行かないか?」
「買い物ですか?」
「そう、夕食を一緒に作らないか?」
「一緒にですかッ??」
マズイ....
とてもマズイです。
料理なんて....出来ないよ-!!


