それでも私は彼から目を逸らすことができなかった。
「そんな目で見るな。」
彼は私から顔を背けて言ったんだ。
失礼だよね?
ただジッと見ているだけなんておかしい?
「ごめんなさい...。」
彼に不愉快な思いをさせてしまったと思って私は俯いて顔を伏せた。
「怒っているのではない。」
ふいに落ちてくるのは彼の柔らかい声。
「本当にごめんなさい。」
「だから怒っているのではない、そんな目で見られると我慢できなくなる。」
言葉を落とした後、彼は私にキスをした。
いつもの優しいキスではなく、噛みつくような奪うようなキスだった。
「ん...んふ...」
甘い吐息に混じって洩れるのは甘い声。
「夜まで待てそうにない。」
彼は耳の側に唇を寄せて甘く囁く。
「ダメッ!ダメです!!」
流されそうになるのをグッと堪えて彼の腕から逃れた。
「なぜ?」
「まだお昼間です。」
「だから夜まで待てないって言っただろう。」
「ダメです。」
「どうして?」
「明るいから....。」
ごにょごにょと言葉を濁す私に彼は眉間に皺をよせていた。
だって明るいとダメだよね。
見えちゃうでしょう?
全部見えちゃうじゃない!


