「問題など何もありませんよ?」
ビクビクしながら答える私に紅葉さんの鋭い視線が刺さる。
彼の綺麗に整った顔に冷たい表情、鋭い視線。
本当に怖いです。
紅葉さん…怖いッ!!
「紫衣は殿を慕ってはいないのか?」
慕う?
お慕いしていますって時代劇のあれ?
「好きってこと…ですか?」
「そう、その…それだ。」
急に勢いを失う紅葉さんに私は首を傾げた。
心なしか彼の頬が赤くなっている気がするのは気のせいだろうか…。
「それ?」
要領を得ず首を傾げたままの私に紅葉さんの爆弾が投下された。
「く、く…くち、……
口づけしていたではないか!!」
静まりかえった部屋にボンッッと効果音が響いた気がした。
紅葉さんは耳まで真っ赤にして俯いている。
私もきっと彼と同じ姿をしているに違いない。
顔がとても熱かった。
「見たくて見ていたわけではないからな!
殿をお守りする役目なのだ、仕方あるまい。」
視線を泳がせながら話す紅葉さんの姿に私は呆気に取られるしかなかった。
見たくて見ていたわけじゃないって言っても見てたことには変わりないじゃない。
それってプライバシーの侵害ってやつよね?
怒るところよね?
怒ってもいいよね?
怒る!!
怒ってやるんだからーッ!!


