元々体の弱かった三成の奥さんを気遣って秀吉は自分の抱えている医者を三成の屋敷に使わした。
そしてその医者から三成の奥さんがとても美しい人だと聞いた秀吉が三成のいない間に奥さんを側室にしてしまったという話しだった。
本当なら酷い話だ。
自分の家来の奥さんを奪うなんて許せない。
「酷い…。」
涙を浮かべる私に三成は眉をハの字に下げながら話してくれた。
「酷いのは俺なんだ。」
ポツリと呟く三成の言葉。
歪められた彼の苦しそうな表情を見ると私は何も言えなくなった。
誰もが言葉を発することの出来なくなった静まり返った部屋の重苦しい空気を破ったのは三成だった。
「3日後の出立には左近も朱理も同行する。
紫衣も一緒についてきて欲しい。」
伝えたかったのはそれだけだと彼は紅葉さんに目配せをして私を部屋に帰してくれた。


