黙り込む私に紅葉さんは更に追い討ちを掛けるように言葉を落とす。
「紫衣は二番目なんだ。殿の側にいても一番は奥方様なんだよ。」
そんなこと言われなくてもわかっている。
この時代妻になるのは一人ではない。
気に入った女性を側室という形で側に置けることもわかってるよ!!
わかってるんだ!
だけど私はこの時代の人間ではない。
好きな人がたくさんの女の人に囲まれて過ごすことを許す事なんて出来ない。
好きだからわかりたくないんだ。
「私は一緒には行けません。」
「それはなぜ?」
私の言葉に間髪入れずに返すのは紅葉さんだった。
「私は、私の生きてきた所ではたった一人なんです。自分の大好きな人は一人だけ、だから…私も私だけを愛してくれる人のただ一人存在でいたいんです。」
「そんなの無理だろ?
それをわかって言ってるの?」
「はい。だから私は着いては行けません。」
「殿が好きだと言ったのは嘘なのか?」
「いいえ…。」
好きだから選べないんだ。
理解できないかもしれないけど…
それか私の時代の生き方。
彼を好きだからこそ譲れない気持ちなんだ。


