お兄ちゃんが誰なのかわからない。
私の好きな人?
今の私には誰もいないんだよ。
良君を思い出すと急に胸がズキズキと痛みだした。
「好きな人はいないよ。」
小さな子供に何言ってるんだろう。
そう思うのに止まらなかった。
「お姉ちゃん、大好きな人とお別れしちゃったんだ。」
少女は私を見てまたニッコリと笑うと話し出した。
「お兄ちゃんの所に行くためにお別れしなくちゃいけないんだよ。
紫衣もお兄ちゃんの為にみんなとお別れしてきたんだよ。」
メニュー
メニュー
この作品の感想を3つまで選択できます。
読み込み中…