「紫衣、今日は左近様の朝餉は私が一人で運ぶからゆきさんに支持をもらっておくれ。」
朱里さんは今日は左近さんと二人っきりで朝食を食べるんだと喜んでいる。
なんだかいつもの朱里さんらしくない口調に私は首を傾げた。
それでもなんだか嬉しそうな朱里さんを見ているのは楽しい。
恋をすることは、どんなにシッカリした女の人でも可愛く見せるんだ。
「朱里さん、なんだか少し妬けちゃいます。」
「それは左近様にかい?それとも私にかい?」
「両方です!私がいないことが二人にとっての喜びの時間になることを寂しいって思っちゃうんです。」
恋したいけど....
一人じゃ出来ないし、羨ましいんだもん。
頬を膨らませ、唇を尖らせて話す私を朱里さんは驚いた顔で凝視してから大口を開けて笑い出した。
「ほんとに可愛いね紫衣は..。
左近様と私は二人の時間にも必ず紫衣の話をしているんだよ。
妬けるのは私や左近様のほうかもしれないよ?
私は紫衣に、左近様も紫衣に心を奪われてしまっているんだからね。」
二人だけの時間にも私の話をしているなんて.....。
「朱里さん!!とっても嬉しいです!」
「そうかい。それじゃあ妬いてないでゆきさんのところに言って仕事の指示もらっておいで。」
喜んで朱里さんに抱きついていた私の頭をひと撫でして朱里さんは左近さんの部屋に向った。


