勝利の女神になりたいのッ!~第1部~




「ゆきさんはとても素敵な女性です。
全身で正澄様を想っています。
そんなゆきさんが大好きなんです。
だからゆきさんが悲しむ姿を見たくないんです。」



ポロポロと零れる涙。


床の上にはポタポタと落ちる私の涙でシミが出来ていた。



いつも泣いてしまう。


涙を堪えきれない自分が大嫌い!!



「ゆきが理由でわしの誘いを断るというのか?」



厳しい口調の正澄様に私は肩が震えた。



「いいえ、待っている人がいます。」


「ならばなぜあの時断らなかった。」


「知らなかったのです。」


「なんのことだ?」


「あのやり取りがその...そういうことだとは知らなかったのです。」




呆れ顔の三成。


不愉快そうな表情を浮かべる正澄様。



「紫衣、これはどういうことか自分でわかって言っているのだな。」



「はい。」



わかっています。

だけど彼との約束を私は守りたい。

ゆきさんの笑顔も守りたい。







目を閉じて覚悟を決めた。


暗闇の中正澄様が立ち上がる衣擦れの音が聞こえたんだ。



「お待ち下さい、兄上。」


そして彼の声も耳に届いた。