「入れ。」
正澄様の声に震える体。
でも後戻りは出来ないんだ。
襖を開けて膳を運び入れる。
側に控えて座り顔を上げてビックリした。
笑顔で迎えてくれる正澄さん。
その隣には三成の姿があった。
どうして?
帰ってくるなんて誰も教えてくれなかった。
「久しいのう、体調は良くなったのか?」
優しい正澄様の言葉に胸がチクチクと痛んだ。
体調なんて崩していない。
正澄様を避けていただけ。
「あの...。」
正直に話すんだ。
そう思っていたのにいざとなると意気地のない私は言葉が出なかった。
「この娘ですか?兄上。」
三成が私をジロリと睨むように見ていた。


