「ちょっと待って下さい。
私が失礼な事を言って正澄様に謝罪に伺うのではないのですか?」
やっと言えたのは部屋から出て襖を閉めてから。
そんな私を朱理さんは困惑した顔で見つめていた。
やっぱり何かが違う。
朱理さんの困惑顔を見て私は確信した。
「全部話します。」
私は短く言葉を結んで朱理さんに背を向けて部屋の中に入った。
そして布団の横に座って朱理さんを待った。
朱理さんもすぐに部屋に入り私の前に座ってくれた。
そして私にまっすぐな視線を向けていた。
私は今日の正澄様とのやり取り、そして私の気持ちを正直に話した。
話し終えて朱理さんの言葉を待った。
なにか間違っているならその間違いを知りたい。
話し終えた私は朱理さんから視線を外さなかった。
私と朱理さんの絡み合う視線。
重くのしかかる沈黙。
時間の流れも感じられないくらい重かった。
そしてその静けさの中に朱理さんの溜息を吐き出す音が響いたんだ。


