「今日、正澄様に膳を運んだのは紫衣だね?」
「はい。」
きっと馴れ馴れしく話しかけたから正澄様が怒ってるんだ。
そうに違いない!
「あれは、私の正直な気持ちです。
だけど…やりすぎだったことは反省しています。」
ごめんなさいと頭を下げた私の腕を掴んで朱理さんは立たせた。
「謝りに行くよ。」
「はい。」
部屋を出る間際で朱理さんはポツリと言葉を零したんだ。
「まさか紫衣が正澄様と一緒になりたいなんて…
ゆきさんのお腹の子供にこの事影響しなきゃいいけど…」
なに?
どういうこと?
「あの…今から向かうのは正澄様のお部屋ではないのですか?」
確かめたかった。
なんだか話が食い違ってる気がした。
「図々しいにも程があるよ!
ゆきさんの所に決まってるじゃないか!!」
鬼の形相の朱理さんに私はゴクリと唾を飲み込んだ。
だけどやっぱり納得は出来ない。
何かが違うって感じたんだ。


