朱理さんはいつもとても優しい。
ハッキリしていて、だけど必ず私の心にあたたかい風を吹き込んでくれる。
「紫衣、ここに出してある物全部屋敷に運ぶからまとめていって頂戴。」
「はい!」
食器と食材が所狭しと出されていった。
私は指示されたとおり籠の中に詰め込んで運べるように準備した。
「それでは、失礼しますよ。」
朱理さんか話しをしていた女の人に挨拶をするのを見て私も同じ様に頭をペコリと下げて荷物に手を伸ばすと
「ちょっと待っておくれ。」
その女の人が私に近づいて話しかけた。
「姫様なんだろう?私達のような人間と同じ事をなぜしたがるんだい?
遊びじゃないんだよ。」
怖いッッ!!
「口が過ぎるんじゃないかい?!」
結局押し黙ることしか出来ない私に変わって言葉を返したのは朱理さんだった。
「すまないね。別に苛めるつもりはないんだよ。だけどね、ここの仕事は姫さんに出来るほど甘くないんだ。
姫さんの気まぐれに付き合える暇な人間もいないんだよ。」


