姿が変わってからずっと考えた。
私にここで出来ること、それを見つけたい。
歴史の動きを感じるだけではない、この時代で私も私の居場所が欲しい。
この世界で私が歩いた道を残したい。
そう思ったんだ。
「左近さん、私もこの屋敷から出てはいけませんか?」
左近さんはどんなに忙しくても朝は私と一緒に食事をしてくれる。
朝しか左近さんに向き合う時間がないので食事を取りながら話しを切り出した。
「どういうことだ?」
眉間にしわを寄せる左近さん。
食事の世話のため部屋にいる朱里さんも左近さん同様険しい顔になった。
「私も何かしたいんです。」
「紫衣はここで朱里から手習いを受けて立派な姫になることを考えていればいい。」
私の言葉は左近さんの強い言葉でバッサリと切られてしまった。
俯き、頷くことでしか答えることの出来ない私の頭を撫でてくれるのは朱里さんの柔らかく白い手だった。
「左近様、紫衣の考えも聞いてやってくださいな。」
朱里さんの言葉で心が救われた反面自分の情けなさも痛感した。
どうして自分の言葉で私は何も伝えることが出来ないんだろう。
黙ってしまうのはとても卑怯だ。
そうやって私は傷つけてきたのに....。
そんな私を私自身変えたいと思っているのに...。


